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デザイニング、キャリア・デザイニング
Sat.12.08.2006 Posted in γ
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オレの本棚で、文芸書を除いてもっとも古く手に入れた部類の本に、電通が発行した「デザイニング 新しい発想と方法論」がある。初版は1986年、今から20年前だ。多分オレが手にしたのは大学1年か2年だ。(※それが20年前ではない。初版が20年前なのだ。念のため!)あまりにも刺激的だったから、ずっと持っている本なのだ。

本の中で、10数名のクリエイターが、「新しい発想と方法論」について書いている。


今日、不要な本を整理していて、懐かしくてこの本を手に取ったんだが、、、


パラパラとめくってて、、、


そして、ビビッた。


おいおい、これ、20年前の本だよね。
こういうときは1人で笑うんだろうな、思わず、そんなことを思った。

オレ、今同じこと話してるジャン。
大学生のオレ、鉛筆で線まで引いてるよ。(無論、覚えてない・笑)

*


「デザイニング」の最後のほうで、当時筑波大学講師だった星野克美先生(現・多摩大学教授)が、「創造的発想のテクノロジー -記号論的マーケティングの提案」という原稿を寄せている。

それは、客観的検証の世界に留まっていたマーケティングに、創造の科学、創造の技術、という観点を与えようとしたものだ。

先生は、「記号論」がそれを可能にするひとつの有力な手法であるとして以下のように書いている。

*

最近、マーケティングでは発想やひらめきが重要であると言われ、いわば右脳的マーケティングの手法が求められているが、記号論という科学は発想やヒラメキのプロセスを技術的な手法に変換することができるという点で、そうした要請に応えられるものである。
・・・略・・・
シービオク夫妻(※1)は、・・・パース(※2)の所説を引用しながらそのことを暗示的に述べている。
「推測(abduction)」とはいわば”当て推量”、”当てずっぽ”といわれるものなのだが、それは”自然の光(illumenaturale)”ともいうべき神から与えられた本能的行動なのであり、未知なるものや未来的なことを予見する上で不思議に威力を発揮するのである。
・・・略・・・
このことについてパースは、”人間の行う当て推量を、とても単なる偶然では不可能なほどよく当たるように仕向ける、何らかの内なる光がもし存在しなかったとするならば、人間は生存競争を生き延びる力をまったく欠いて、とっくの昔に絶滅してしまっただろう”といい、また”推測は人間と創造主の間のコミュニケーションであり、この神聖なる権利を活用しなければならない”と述べている。
・・・略・・・
そして専門家たちの推測的行為に共通しているのは、まず対象とする事象についてのきわめて深い観察が前提になっていることであろう。
また、推測的行為に共通しているのは、証拠であれ症状であれ、いずれにしても対象とされる現象の有徴的なもの―「有徴記号(marked sign)」が本能的に嗅ぎとられ、それと同時にその深層に隠された意味が瞬時にして、あるいは深い思索の末に解釈されるということである。パースは、”仮説を抱くとは洞察(insight)を持つ行為であり、推測による暗示は稲妻のように頭にひらめくのである”と述べている。
・・・略・・・
推測とはこうした人間の本能的能力の働きを意味するものであり、記号論は認識論的な一面で推測のメカニズムを解明する科学として演繹と帰納の科学の基盤をより確固にするために必然的に生まれてきたものである。

※1シービオク夫妻 …「シャーロックホームズの記号論」を著した夫婦の研究者
※2パース …チャールズ・S・パース 記号論の祖の1人 よくオレも言葉を引用する

*


なんとまあ、今オレがキャリア形成において、他人に語っていることが、マーケティングの世界では20年前に語られていたんだね。(繰り返しだけど、「デザイニング」は1986年に発刊されている。)

しかも上記以外の文章の流れでいうと、芸術の世界ではもっと早くにこうした構造化が試みられていたと読み取れる。

>芸術>経営>キャリア形成なのね。

*


そういえば、大前研一が翻訳、ダニエル・ピンクが著した「ハイコンセプト」では、これからはMFA(Master of Fine Arts)すなわち美術学修士こそ、新しいMBAなのだ、と相当なページ数を割いて書いている。

ここに至っては、著名なキャリア理論の先生も、僕の敬愛してやまないN先生のイノベーションの創造も、さして新しい何かを提供されてはいないんじゃないかと、ちょっとテンションが下がってもみる。

*


「デザイニング」に戻って、星野先生は「創造的認識行為の一般モデル」について説明をしている。

それは一般に「意味解釈」と「記号生産」の、2つのプロセスから成り立つとしている。

「意味解釈」はさらに、以下の2つの過程に分けられる。
1.記号観察 : 意味解釈にいたる前に、まず記号を観察し、有徴記号を収集する。
2.意味解釈 : 「推測(abduction)」という方法によって行われる。

そして「記号生産」もさらに以下の2つの過程に分けられる。
1.意味生成 : KJ法など既存の意味分析(KJ法などは有効活実用的である)を行った後、その意味を差異化する新たな意味を推測する。いわゆるコンセプト開発に相当する。
2.記号生産 : 新たな意味を体化した記号を生産する。「意味」としてのコンセプトから「形」としてのモノを開発する過程。マーケティングにおいても、「比喩」や「異化」の方法が芸術的創造行為のように無意識的にとられている。

*


来たよ。ビンゴでしょ。

「比喩(metopfer、メタファー、本の中ではrhetoric、レトリックだったが)」、出てくるだろうな、と思って読み進めたら、やっぱり出てきたよ。

「異化(defamiliarization)」という言葉も当時よく目にした。
オレはもともとは大江健三郎の文章の中によく見た。芸術 → マーケティングへdivertする中で、それは「差別化」として使われていったと思う。

*


勉強すべき方向性は、こうやって手に入れたほうが良さそうだな。

E.H.シャイン(※3)が来日するからって、さっき聴講申し込みしたけど、1万円したんだよな。

ハクはつくけどさ、何か間違ってるような気がしてきた。


いやいや、これもクランボルツの「計画された偶発性」と見るべきか。

いやいや、オレはオレだった、っていうことだろ。


※3E.H.シャイン… キャリア理論の世界的権威 MIT名誉教授
※4クランボルツ… これまたキャリア理論の大家 スタンフォード大学教授


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